元・修行僧が案内する高野山「獄弁財天(弁天岳)・女人道」

高野山で10年修行した元修行僧の僧職系登山男子が、修行した場所である高野山を案内するシリーズ。
今回は獄弁財天(弁天岳)です。
僧職系登山男子としては、やはり山や山道を案内したいところ。
そこで、今回は「弁天岳(984m)」に登りました。
アクセスするルートは「女人道」
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている世界遺産のトレイルです。

この日は、高野山の本山である「総本山金剛峯寺」で開催している「ちょっと一息阿字観体験」の講師として、
高野山に駐在していました。
そこに山と仏のフォロワーであるPeachmilkさん(@peachmilk_0101)さんが来て下さいまして、
弁天岳に登りたいとのことでしたので、ご一緒しました。
(撮影協力もおねがいしました。ありがとうございました。)

獄弁財天(だけのべんざいてん)とは

獄弁財天と書きまして「だけのべんざいてん」と読みます。
「高野七弁天」といいまして、高野山には7つの弁天さまがお祀りされていて、その1つ。
諸説ありますが、高野山は山の上であり、水の確保が難しかったため弘法大師が勧請されたと聞いています。
(そのおかげか、山の上なのに渇水したという話を聞いたことがありません)

その獄弁財天は「弁天岳」にお祀りされています。
高野山は「八葉の峰」と言われ、8つの山々に囲まれた盆地の中にあります。
その姿が、蓮の花が開いたような姿であるからこのように言われます。
弁天岳はそのピークの1つ。

高野山 女人道とは

アクセスするルートは「女人道(にょにんみち)」
明治に入るまで、高野山は女人禁制で女性は入ることができませんでした。
女性は、高野山の周りを巡ってお参りしたのだそうです。
この道を女人道と言います。
高野山の周りを巡っている歴史あるトレイル。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている参詣道です。

この女人道には「女人堂」という、女性が籠もったお堂がありました。
高野七口といって、高野山には入り口が7つあり、
そのそれぞれに女人堂があったそうですが、
今では不動口にある女人堂だけが現存しています。

高野山女人道

弁天岳へのルート

弁天岳へのルートは2つあります。
大門からのルートと女人堂からのルート。
どちらもコースタイム登り25分・下り20分です。

獄弁財天(弁天岳)へのルート

ルート案内

弁天岳登山口

大門ルートは、大門の横に登山口があります。
この赤い鳥居をくぐってスタートです。

手足を使うような急坂はありません。
よく整備されている道なので、歩きやすいと思います。

展望はあまりないのですが、
山頂にほど近い場所に高野山のシンボル「根本大塔」を望むスポットがあります。

根本大塔を望む

女人堂ルートの登山口は、女人堂から車道を渡った反対側。
バス停の隣にあります。

女人堂

ぜひ獄弁財天お参りください

高野山にお参りしたことがある方でも、
獄弁財天にお参りした方は少ないのではないでしょうか。
一時間ほどのトレッキングです。
高野山の街中にはない、山の雰囲気が感じられ、
素晴らしい霊気がある場所です。
ぜひお参りしてみてください。

この記事を書いた人

syousetsudou