「心を支える山道具・金剛杖」僧職系登山男子による山道具紹介#3

僧職系登山男子による山道具紹介、第3弾。
今回は「金剛杖」です。
今まで3,000m峰や北アルプス、そして様々な霊山の登拝で金剛杖を使ってきました。
登山・登拝における金剛杖の使い方をお伝えします。

金剛杖とは?

山伏が用いる山道具で、山岳修行を助ける法具。
四国遍路などの巡礼でも用いられます。

巡礼用のものは四角形で、五輪塔の形をしています。

五輪塔とは、
地水火風空の5つの元素から成り、宇宙そのものを表します。
すなわち、仏そのものを表しています。

四国遍路では弘法大師そのものとされ「同行二人」の信仰を表す、
とても重要な法具になります。
同行二人とは、弘法大師がどんなときにも共に歩んでくださり、寄り添ってくださるという信仰。

金剛杖を持つということは、
常に仏と自分とが共にあるということを示します。
つまり、
「仏が自分の心を支える」という心を支える山道具です。

高山登拝でのメリット・デメリット

〈メリット〉
ストック・トレッキングポールと比べて長いので、川を渡るような場面では遠くまで届くので安定します。
また、頑丈なので、安定感があり安心して支えることができます。
〈デメリット〉
長く、若干重いのでかさばります。
特にザックにくくり付ける場面では、長いので岩場などでは邪魔になることも。

高山登拝での注意点

岩場・鎖場の下りでは要注意です。
下りでは、杖の下部が岩にあたってバランスを崩しかけたことがありました。
背面は見えないので、特に注意が必要です。

また、長いので木や枝に引っかかりやすいです。
樹林帯や薮の濃い場面では、引っかかってバランスを崩すと危ないので、
特に注意が必要です。

高山登拝で金剛杖を用いる際のノウハウ

〈細引きを金剛杖に括り付ける〉
細引きを二重テグス結びにして輪っかにし、
プルージック結びで金剛杖に括り付けます。
この輪っかを腕に通しておくと、
さっと金剛杖を手放しても落ちないので、すごく便利になります。


〈ザックに付けるときは「カラビナ付きタオルホルダー」〉
ザックに取り付けるときには、ダイソーで売っている「カラビナ付きタオルホルダー」を使うとぴったり付きます。
少し強度が弱いので、補強するといいかもしれません。


以上のノウハウは、
山伏のフォロワーさんから教えていただきました。
ありがとうございました。

心を支える山道具「金剛杖」オススメです

自分一人ではなく、
仏と共に歩み、そして山という神仏の世界へ仏と共に入る。
その象徴が金剛杖。
私達の心を支える山道具です。
ぜひ、霊山への登拝にお持ちになってください。

小雪童

この記事を書いた人

syousetsudou